PWAという技術が出てきてから数年が経ち、様々なPWAで作られたアプリーションが登場しました。
その中で最近私が開発に携わっているOOPratsというクラウドゲーミングサービスがあります。
OOPratsはPWAで開発されていますが、PWAとクラウドゲーミングはとても親和性の高い組み合わせであると思っています。今回はその組み合わせをご紹介できればと思います。
また、以前にPWA Nightで登壇した内容も合わせてご覧なっていただくと幸いです。
OOPartsの特徴
OOPratsは美少女ゲームをWebでプレイできるクラウドゲーミングサービスです。以下のような特徴があります
・ 昔のWindowsでしか動かない美少女ゲームがWebブラウザ上でプレイ可能
・ 端末のスペックがそこまで要求されない
・ 端末のディスク容量はほぼ無関係
・ 操作の遅延が現状(β版)0.2秒~0.5秒くらい(美少女ゲームの特性上、ほんの少しの遅延なら気にならない)
特に、クラウドゲーミングは遅延がかなりネックになるのですが、OOPratsは美少女ゲームの特性上、遅延が少しあってもプレイに影響しない、というところを突いています。
これは非常に重要な考えで、ネットワーク越しにゲームをプレイすることにおいて、遅延は大きな問題になります。なので、クラウドゲーミングは様々なゲームに対して得意不向きが(現状では)あると思っています。(もちろん遅延は少ないに越したことはないですが)
また、Web経由でクラウドゲーミングを行えるサービスの場合、スマホでのプレイも想定されますので、小さい画面でもプレイできるようなゲームの方が向いていたりすることがあります。
クラウドゲーミングとPWAの親和性
クラウドゲーミングはユーザーからのゲーム操作信号を受け取って、ゲーミングサーバーで処理を行い、映像を常にユーザーに返し続けるというパターンをとることが多いです。これにより、端末は実質映像を処理することだけに集中するだけで良いのです。
Webでクラウドゲーミングを実装する場合、Webの特性上、ブラウザがあればどこでもゲームをプレイすることが可能です。
OOPratsはその特性を生かし、スマホにも積極的に対応しています。そこで大きな力となっているのがPWAです。
PWAとして、最近様々な機能が出てきていますが結局、以下の2つがとても重要なことだと思っています。
・ 全画面でWeb画面を表示できるようになる
・ アプリとしてホームにインストールできるようになる
この2つが前提にある上で、ネイティブに近づけていくための機能がたくさん登場しています。例えばオフラインキャッシュやプッシュ通知ですね。
あくまで、これらは、PWAとしてホーム画面にインストールされたWebアプリをよりネイティブアプリに近づけるためのプラスαだと思っています。
OOPratsではこの重要な2つにフォーカスした上で、よりネイティブアプリに近い体験を実装しています。
その例として挙げられるのが、ゲームの起動画面です。
この起動画面により、Webではなく、よりアプリに近い動きをしているとユーザーに伝えられます。
また、ゲームプレイ画面ではPWAの恩恵により大画面でプレイが可能になっています。
そしてPWAにより、ユーザはいつでもホーム画面からOOPratsを呼び出せるのです。
また、Web経由からインストールできることにより、GoogleやAppleなどのストアを経由せずに済みます。Webというフリーダムな場所のおかげでしょう。特にOOPratsはこのおかげで、プラットフォームの特性上、審査に通らない内容のアプリをユーザーに届けることが可能になっています。
このように、OOPratsはPWAの恩恵をたくさん享受しています。しかしそれは、OOPratsに限らない話だと私は思います。
今後クラウドゲーミングは爆発的に流行っていくでしょう。その中でWebという場所は、よりゲームに特化していく形になるでしょう。
そして、重要なポジションをになっているのがPWAだと私は思っています。実際にGoogle StadiaがPWAでプレイできることが物語っています。
ゲームは、ハードの壁を超え、端末に依存しない状態で、ユーザーが好きなタイミングで、気軽にもっとプレイできるような世界がやってくるでしょう。クラウドゲーミングのための技術として、PWAを皆さんも採用してみてはどうでしょうか?