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【CTOmeetup】エンジニア採用の最前線 が良いイベントだったのでまとめてみた

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CTOmeetupというイベントがあって初めて参加してみたら想像以上に色々な情報を仕入れられたので記事にまとめてみる。イベントページは以下。

flexy.connpass.com

はじめに主催者(flexy)からのサービス案内があったのだが、その中でエンジニアは今後「1人の方が2社、3社で働くのは当たり前になっていく」と言っていた。

今回の登壇者の一人である藤原聖さんもLINE株式会社のマネージャーである一方、エムスリー株式会社の技術顧問もしているということで、そういう時代が当たり前になっていくんだろうなって思った。

今回の登壇者は以下の通りである。

・藤倉成太さん(Sansan株式会社 執行役員 CTO 今回のモデレータ)
・ひらいさだあきさん(株式会社メルカリ Engineer Hiring Manager エンジニア採用責任者)
・岡嵜禎さん(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部長 執行役員
・藤原聖さん(LINE株式会社 Developer Relations室 Developer Successチーム マネージャー 兼 People Partner室 エンジニア採用チーム マネージャー)

パネルディスカッション1部

まず初めはエンジニア組織の作り方について色々話された。

藤原聖さんは「開発者が社内を魅力的に感じてもらうこと」が大事であると話されていた。
そして、ミッションとして「エンジニアが自慢したくなるような組織を作る」と言っていたのも印象的だった。そのミッションの元、文化の醸成を行っているらしい。
入社したタイミングで、組織ごとにOJTが行われるが、そのはじめに、CTOが必ずLINEの開発文化とは何かを海外の方も例外なく、伝えるところから始まるらしい。

岡嵜禎さんは「僕らが大事にしているのは全員が主役、リーダーである」と言っていた。誰がではなく、みんなが。を大切にしているらしい。
そして、各チームがフルレスポンシビリティを持っている。そこにやりがいがあると。

ひらいさだあきさんはメルカリは現在文化を含め、変えていかなければいけないフェーズにきていると言っていた。
今までのバリューで今までは戦ってこれたが、これからはそうはいかない。これからチームをスケールさせるには色々な試作を打たなきゃいけない。だからバリューも変えた部分がある。
これからは、エンジニアの原則や文化を明文化していくらしい。それと、キャリアラダーを作っているらしい。

そして次の話はエンジニア採用力の効果。どの会社も採用の仕方は大体は同じだね、と舞台裏で話していたらしい。

LINEは今年の7月、採用方針を大きく変えたらしい。今まではエージェントがかなりを占めていたが、現在は停止している。
そこからダイレクトリファラを中心にし始めたらしい。選考は基本的に現場のマネージャーやエンジニアがやる。そして記述テストやインタビューを行なっていくらしい。
また、現場のエンジニアと密になることができていないと感じていたため、エンジニアフレンドリーになり、今は寄り添ってやっていく形になっている。
そして、エンジニア組織側はオープンな情報交換を好むので、人事が持っていて、公開できる資料は積極的に出す。チームのミーティングログとかも出す。ひたすら出せる物を出していったらしい。コミュニケーションツールも統一し、フォーマットも決めた。
そういったところから議論や会話が生まれ、LINEがやたらとイベントが多いのはこういった会話から発展したケースが多いかららしい。

AWSは違いがあるとすれば、「テクニカルロールだけでなく、カルチャーフィット」を大事にし、バーレイザー採用制度を行なっていることらしい。これにより、例えばテックロールの人だったら営業の人が入ってきて、違うレビューをする。利害関係がない人がレビューすることフェアになる。
これをすることで、とりあえず次に通そうがなくなり、基準より高い人を採用できているらしい。
2ピッツァ理論というものがあり、これは2枚のピザでお腹いっぱいになるくらいのチームが良く、そこにフルレスポンシビリティを与える。そこにサポートする人がいて、採用やブランディングを行っている。実際にやっている人と話すのが一番よく、そういった風にしているらしい。

メルカリは最近外国籍の方が増えてきてて、たまに日本語の履歴書を見るなぁくらいな感じになってるらしい。なので、海外のエンジニアにどうアプローチしていくかを頑張っている。なので、海外に強いエージェントを利用したり、海外カンファレンスのスポンサーになったり、ミートアップを開いたり、などを積極的に行なっている。
また、面接官の質を高めるためにトレーニングを行ったりもしている。
人事には難しいヒアリングなどは、自分が積極的にヒアリングし、サポートを行い、ジョブボードのベースにしているらしい。

パネルディスカッション2部

2部は事前質問の回答タイムだった。まず初めは採用広報について話した。

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藤原聖さんは費用に関してはスタートアップが羨ましいといっていた。
まず、スタートアップは一貫したメッセージを出せる、そしてフットワークが軽い、経営層が表に出てくるので、と。LINEはこれができないのでスタートアップは武器にしていくべきだといっていた。

メルカリは、mercan (メルカン)があり、そこで社内の情報を積極的に発信している。エンジニアはテックブログがあり、アドベントカレンダーを粛々と進めているらしい。

mercan.mercari.comct

また、ひらいさだあきさんは、グッドパッチ時代は、直接bosyuなどで声をかけてたらしい。そして、自分が知名度が上げればいいと考え、そのためにまずは自分の知名度を上げることを行ったらしい。
そして多い時はカジュアル面談が1日に4、5個入っていたこともあったそうだ。
また、HR系のツールが増えてきていて、初めは無料で試せるものが多いと思うので積極的にどんどん試していくのが良いのではないかと言っていた。

岡嵜禎さんは、3つの条件が大事と言っていた。それは以下の通りである。

・社会貢献ができること
・自分がやりたいことができること

・自分が役に立てること

社会貢献ができること」は愚直に伝える。
自分がやりたいことができること」はエンジニアは成長できることが重要。そのために最前線の技術を取り入れてあげる。
自分が役に立てること」は現場のエンジニアの課題として、活躍できるイメージが持てないということがあるらしい。なので活躍できる場を提供することが大事である。
岡嵜禎さんはこの3つが達成できることを特に大事にしているらしい。

藤倉成太さんは、テックブログに関して辛かったことを話した。去年の9月にローンチし、毎日更新していく。足りなかったら自分の責任。現場のエンジニアに土下座して書いてもらったこともあったらしい。
エンジニアは、「本当は記事を書きたいじゃないですか。だけどネタがない。社会に出していいのかなって不安もある。なのでそう言った不安な部分は全部僕が受け持って、聞いて回っている」と話していた。
そしてその成果が出て、PV1000から現在はPV3万から5万ほどになったらしい。1年やればなんとかなると言っていた。
また藤原聖さんは、リアルタイムでコンテンツ集めに苦労しているらしい。「責任持って誰かがやらないと始まらない」と言っていた。

組織づくりのディスカッションも行われた。

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LINEは採用に協力的な組織が多いそうだ。マネージャーが部下から評価され、それがメンバーをモチベートする方向に働いているらしい。
また、LINEは出戻りが結構多いらしい。退職者を暖かく送り出すのがカルチャーとしてある。なので、出戻りが多いのではと思っている。これは良いカルチャーであると思っている。

岡嵜禎さんは「エンジニアは究極的に成長したい」が根底にあると言っていた。そして、その機会を作ってあげることが大事であると。
また、成長は2種類あると言ってた。1つは「この先も戦える技術」を得られる。もう一つは「お金とか地位」を得られる。
AWSでは前者を特に重視している。「ここにいたら成長できる」と言う環境づくり。例えば新しい技術を触れるとか。
そして、ここを出るともったいないなぁ。と思える環境を作ることが大事と言っていて、出ていってしまっても、あそこ(AWS)が一番成長できたなと思える環境を作っていくことが大事と言っていた。

ひらいさだあきさんはメルカリで、HackWeekをやったことを話していた。
これは、1週間好きなことに取り組んで良い期間のことである。
これが結構良かったらしく、面白いサンプルアプリが出来上がったりなどした。そう言った、チャレンジできる環境が大事であると言っていた。
また、入社時の期待値の設定が大事であると話していた。そこがしっかりとなされてないとすぐに辞めてしまうのではないかと言っていた。

質疑応答

パネルディスカッションの後は質疑応答が行われた。まずは「ネームバリューが無い会社はどう戦えば良いでしょうか?」と言う内容だった。

藤原聖さんは「スタートアップに負けることはある」と話した。スタートアップだからこそ経営層が前に出てくるし、フットワークは軽いし、一貫したメッセージが出せるからだ。ネームバリューがなくても採用が強いケースがあると思っている。
その点、エムスリーは採用強者になった。これはエンジニアブログをずっと出し続けてきた結果だと言っていた。
ネームバリューって戦い方次第でどうにもなる。地道にやっていけば。と言っていた。

ひらいさだあきさんは、グッドパッチ時代「デザインの会社なので、エンジニアいるんですか?」と言われたことがあったらしい。
なので例えば、Rubyを使ってたのでスポンサーになった。一番安いやつの。そして、スポンサー活動してますってことをメールに入れた。
「エンジニア増やしたいです」と言うものの、勝手に増えるものではない。スカウトなどを通じて、地道なところからやってくのが大事と言っていた。

岡嵜禎さんは、AWSでの採用で「作っていく。そういったところが楽しい」と言う人や「トップに直接つたわる」だとか、「コアメンバーになれる」が響く人は、なかなか入社してもらえないと言っていた。そこを押していくのはとても有効的だと話していた。

最後は「なぜCTOに」と言う質問だった。現職でCTOなのは藤倉成太さんだけだったが。

ひらいさだあきさんは、グッドパッチの時は50人くらいで、エンジニアをしていた。そして開発のルールづくりをしていくうちに、エンジニアマネージャーになって、そこから全体的なところを見て欲しいなって話が来てCTOになったらしい。

岡嵜禎さんは、社会貢献ができること、自分がやりたいことができること、自分が役に立てることを考えた時に、ちょっとチャレンジしてみたい、成長できるかなと思ったかららしい。

藤原聖さんは「採用って、人事活動においてすごく大事、入り口として。エンジニアの組織をやっていて、1人の力ではなく、多くの仲間と一緒にやることに興味が湧いて、今のチームに入った」と話していた。
そして現在は、組織が縦割りになってたので、橋渡しをしなきゃと思ってたら、やれと言われたので、そこをやっているそうだ。

藤倉成太さんは、Sansanで18番目に入社。1エンジニアだったが、ある日「開発部長をやってみないか?」と言われた。Sansanを大きくするという目線があり、即答でOKを出したらしい。CTOも即答したそうだ。なりたいではなく、必要だと思ったからと言っていた。

所々省いた部分はあるが、とても濃密な時間だった。次回も参加しようと思う。